photter's photo diary

日々の暮らしで感じた「心に一番近いコト」を写真と言葉でつづります。

志賀理江子写真展「螺旋海岸」

2013年1月5日(土) せんだいメディアテーク仙台市 宮城県の北釜地区(仙台空港の近く)で暮らす志賀さんの243枚の写真は、 ベニヤ板の立て看板みたいなのに貼り付けられ、 フロア一帯に広がるように展示されています。 入り口で写真を説明する紙を渡されました。
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志賀さんの心の地図ということで、この地図になぞらえて写真が展示されています。 立て看板の床下には番号が書いてあります。 これは写真を説明する番号で、心の地図の裏側は 写真の説明で文字がビッシリと埋まっていました。
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マインドマップというアイデアを広げたり整理する手法が有りますが、 それを利用して写真を使い、自分の心の中をビジュアライズしているのではないかと思います。 2、3ヶ月前に渡部さとるさんのお話しを聞いて、 写真の中に自分が居る、ということを感じましたが まさにこの展示は志賀さんの心の中を、 自分と他者、場所、時間のつながりをマップにしていて 観ている間は心の中を彷徨う感覚です。 観ている間に起きた出来事で一番印象に残っていることは 親子連れの会話にありました。 ねえ、お父さん観て! 子供がお父さんを写真の前まで連れてきて、なんか面白い~と言うと お父さんは、鏡で映しているんでしょ と言って、答えを授けようとします。 (このお父さんは写真をこう読み取った) しかし、この子の凄いところは、お父さんに対して でも(鏡だったら)足の向きがおかしいよ と自分の気付きを伝えたのです。 実は、子供のほうが写真をよくみえているのです。 二人の男の人が足の裏を合わせているので、鏡映しのように見えます。 大人になると知識や経験から理解しようとするのでしょう。 子供のように感覚で理解する気持ち、 好奇心で見て、なんでだろうとじっと観る。 この写真展の展示で伝えようとする 「見る」という行為について集約するような出来事でした。 本展は今月14日まで。 お近くの方は是非観て欲しい。 遠くの方も、連休とかやりくりして観た方が好いと思います。 でも、写真で癒されたいと考えていると痛い目に遭うので 覚悟して御覧頂いたほうがいいかも。 見終えてまだ放心状態ですから。
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