photter's photo diary

日々の暮らしで感じた「心に一番近いコト」を写真と言葉でつづります。

螺旋海岸の地を訪れて

自分の考えの浅はかさに落ち込んだことはありませんか? 今日はそんな出来事を忘れないように記録します。 2013年1月4日、志賀理江子写真展「螺旋海岸」の舞台、宮城県の北釜地区を訪れました。
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北釜は方面としては仙台空港のあたりです。 仙台駅から電車で30分という場所なので、 写真展の前に一度は場面を見ておこう、そして撮影もしてみよう と思った訳です。 しかし結果は、自分の浅はかさに打ちのめされてしまいました。
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この場所で撮ることについて余りにも気軽に考えていました。 荒涼とした景色と対峙するには、この土地を知らなさすぎる。 グーグルマップに公園と表示されていても公園は無い。
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津波で流されてしまったのかな? でも待てよ。元々が分からない。 そして撮りながらハンマーで殴られたような衝撃を受けたのがこれ。
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名取川の土手にあったものは漂流物のようにも見えるし、単なる放置されたゴミにも見える。 だって僕の住む土地の近所の呑川や多摩川にも、こんなゴミは落ちている。 決して津波で流されて来たものとは捉えないだろう。 知らない所で演出する写真を撮ることは出来ない。 アートフィルターで撮ったら何かかっこイイね!という写真にしかならない。 手法で撮ってしまうことの怖さを実感しました。
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志賀さんが、なぜあの北釜で撮ったのか。 写真とは何を撮るのかではなく、なぜ撮るのか? という基本命題を改めて叩きつけられました。 そして、なぜ自分は今、東京を舞台に写真を撮っているのか再確認出来た 途轍もない一日になり、北釜の地で撮影出来たことを感謝します。
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一見平穏な北釜の名取川ですが、橋は応急処置のままです。
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この土地に住む人にしか見えないもの、許されないものがあります。
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