写真の要素と集合体 アンドレアス・グルスキー展にて
グルスキーの写真については、いろんな詳しい解説が有るのでそちらを参考に。
僕なりの見方をするならば、
構成する部分(要素)と
部分で構成された構成物(全体)を等価に扱って撮る人だなーと感じています。
どういうことかというと、
例えば私たちは、ご飯(お米)を食べている時に、
デンプン(アミロース)や更にそれを構成するブドウ糖(グルコース)を
意識すること無く、ごはんをモリモリ食べるはずです。
一方で、コーヒーにお砂糖を入れる時に、
これがご飯を構成する要素なのかーなどと考えながら
甘くすることも無いと思うのです。
でも、グルスキーは、おそらく
部分となる「デンプン」と、それの集合体である「お米」を
同時に意識しながら撮影しているような気がするのです。
もうすこし科学的な言い方をすれば、
物の見方として
微視的な「分子、原子レベル」で要素を観ながら
巨視的な「バルク(かたまり)」で特性を観ている。
グルスキーは科学者的な視点なのかもしれません。
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松江泰治さんは東大で地理学を専攻されていましたが、
彼が空撮する時にはおそらく
石や砂粒を観ながら、地形全体も観て撮っている、
そんな気がするのです。
もしお会いできる機会があれば、聞いてみたいと思っています。