コピーと本物の違いとは?
TOKYO ART BOOK FAIRの準備で忙しい9月中旬でしたが、
今回のPHaT PHOTO模写企画に参加した理由があります。
< 1st trial shot >
ある日の出来事がきっかけで、
コピーと本物の違いを通じて
再現性の先にあるものを見つけたいと思ったからです。
参加時点で、仮説は立てていました。
コピーと本物の違いは
「勢い」あるいは「ライブ感」 ではないかと思っています。
コピー、写すことでは勢いが出ません。
小学校のとき、書き方の授業でおなじみの、
字を上からなぞる時の勢いの無さ、
模写した絵画の迫力の無さのように、
贋作にはライブ感(いのち)が有りません。
つまり、筆致を残すのが本物、傑作だと思うのです。
じゃあ、
写真における筆致とは何か?
というところが知りたくて企画参加しました。
< 2nd shot >
写真の筆致とは美しいと思った心の動きで、
夢中でシャッターを切ることではないかと私は思いました。
その時の心が写し込まれているかどうか、
が写真における傑作とコピーの違いなのだろう。
それで今回の撮影では、なぞるだけにとどめず、
その場の美しさを撮ろうと感動しながら、
例えば卵をいろいろ動かして、
こんなふうにもあんなふうにも世界が変わってみえる
「楽しさ、興奮」を感じながら取り組みました。
デジタル現像もまねるというよりも、
美しく仕上げたくてたくさん試す。
実験を繰り返し、それを楽しむ。
たとえ苦悩を描くものだとしても喜びがある。
その追求の先にあるものが
やがて「オリジナリティ」になるような気がします。
< final shot >