役に入り込んでこそ活きるアドリブ
誰の言葉だっただろうか?
「脚本は芝居の一部でしかなく、役者によって芝居は完成する」
という言葉をどこかで見た。
4月5日の昼は写真のゼミでお世話になった安達ロベルトさんの
音楽と脚本、演出するお芝居を観に行きました。
そして夜はまた別のライブに出かけました。。
当日は2つのお芝居に共通して気付いたことがあります。
「役者の力」によって芝居は変わる。
もちろん役者の技量は芝居には重要だと思ったことがひとつ。
そして、芝居の面白みの一つは
役者の気持ち、感じたことを物語を通じて映して、
お客さんと一体になる「生感」(ライブ)だと思う
出来事がありました。
演目「さまよえる魂」で特に記憶に残っている場面は
おじいちゃんが孫の結婚式で歌を唄う(何音頭だったかな?)ところ。
唄い出してから全く手拍子が無かったものだから、
おじいちゃん(役者:佐々淑子さん)がピアノの伴奏も全て止めて、
「手拍子無しには歌いにくくてしょうがないから」と客席に手拍子のおねだり。
客席を披露宴の出席者に見立てて、客席を巻き込むアドリブ(だと思う)。
この判断も素晴らしいな、と思ったのだけど
さらに誘導が上手かったのは手拍子のリズム。
音頭のリズムで良くある「ドドンがドン」に入る前に
2拍子で打つように誘導し、
会場が手拍子で一体になったところで
音頭のリズムに変えたのは客いじりが上手いなあ、と思った。
リズムを取るのが苦手な人には
音頭の手拍子って難しい拍子らしく、
ずれてる人をいろんなお芝居で見かけます。。
そしてもっと上手いなあ、と思ったのは
この話のオチの前に、会場を一体にして盛り上げる場面をつくったこと。
気持ち、感情を持ちあげといて、落とす。
自分が役に入り込んで、なおかつお客さんもストーリに巻き込むから
その効果たるや絶大だった。
感情の揺さぶりを設計しているのか、
実際に安達ロベルトさんにお会いして確かめたいところ。
なぜなら、写真というビジュアルストーリーを構成する上でも
感情の揺さぶりは重要だと思うので。