photter's photo diary

日々の暮らしで感じた「心に一番近いコト」を写真と言葉でつづります。

ジョセフ・クーデルカ展にて

国立近代美術館で開催の「ジョセフ・クーデルカ展」に行ってきた。

クーデルカチェコスロバキア出身の写真家で、

プラハの春が代表作。喜びと哀しみの感情を表現する人だと思う

 

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(2014年1月12日 江ノ島にて)

 

今回の展覧会では7つの作品群に分けて展示されていた。

1.初期作品

2.実験

3.劇場

4.ジプシーズ

5.プラハ

6.エグザイルズ

7.カオス

 

私はこの中で最も好きなのは初期作品と実験だった。

その他の作品が悪いという意味ではなく、

いまの私にとって「みたいもの」がそこに在ったからだ。

 

若さゆえの情熱や、甘くてほろ苦い思い出のような写真。

それを初期の作品に感じた。

 

次に好きだったのはジプシーズ。

哀しさが写っていても、そこには悲喜こもごもが混じっている。

家族とか仲間とか心の拠り所があり豊潤な光がある。

人の顔が見えてくる。

 

一方で、観ていて苦しかったのがエグザイルズ。

ジプシーズに見られるような豊かな光が無く

ここには淡々とした硬い光で、哀しさを感じた。

 

恐らくこれは、クーデルカ自身が亡命者という根無し草ゆえの

心の平穏の無い寒々しい気持ちが、

単調な光しか見つけられなかったように思う。

 

観ているだけで哀しさを反芻して、苦しく感じたのは

いまの私に心落ち着くところが無いためだと思う。

 

あるカメラメーカのCMで、

「写真のほうが自分の心に近いかも」というコピーが有った。

写真には自分の心が写ると言うのは、本当なのだろう。

 

 

私自身の写真が、楽しく光りに満ちたものでありたいと思う。